近年、わが国の経済規模は急速に拡大し、GNPも世界第二位と高度成長を遂げているのであります。 これは、日進月歩の技術革新および生産性向上に日本の産業人が真剣に取り組み欧米の先進国を追い越すことに努力が払われ、世界各国に多くの優秀な製品・プラントなどが輸出されている結果であります。また同時に、われわれ梱包業界が陰の力として努力し貢献していることも見逃せない事実であります。 しかしながら、われわれの「梱包業」は輸出に欠くことのできない企業であるにもかかわらず、末端企業的に見られ、諸官庁の認定業種にも含まれていないのが現状であり、また多くの場合、梱包業者の結束かないために、メーカーの犠牲をしいられ、いたづらに過当競争になやんでいる状態が見受けられます。 われわれは、この際1歩前進して諸官庁に対する業種の認定と、輸出に対する貢献度を評価して貰う運動を起こす必要があります。 また、最近の人件費の増大、諸材料の値上りなどの悪条件の下で、われわれの企業としての体質改善もさることながら、過当な競争を避け、適正な利潤を維持することを図らなければ、将来好ましくない事態へ追い込まれるおそれがないとは言えません。 しかしながら諸官庁に対する運動については、本省のある東京地区が中心になってやらなければ進展し難い現状から、同組合からも関東地区を中心とした輸出梱包業者の団体結成を強く要望してきている実情であります。 ここにおいてわれわれは輸出梱包業界の体質改善、安定経営、企業の合理化などを進めることにより、当業界の社会的、経済的地位の向上を図り、もって国民経済へより一層の貢献を図ることを目的として企業団体を組織し、積年の弊を一掃したいと念願する次第であります。 当面、名古屋以東の関東地区を中心として発足し、将来は西日本輸出機械金属工業組合などとも合流して全国的な団体組織が結成できることを望んでおります。 組合は参加企業の協調精神と熱意により技術の向上、適正利潤の維持、または材料の協同購入、協同作業などを目的とした事業内容を推進することにより、当業界の経済的地位の向上が期待できる明るい前途が開けるものと確信致します。 また当業界にも団体結成の声が次第に高まって参っておりますので、ここにてきるだけ多くの有志業者に参加して頂き、東日本輸出梱包工業組合を結成し、輸出梱包業界の健全な発展と生活水準の向上に、いささかなりとも寄与したいと念願するものであります。 昭和45年11月 |
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※原文のまま |